「〇〇町」を「まち」と読むか「ちょう」と読むか。全国では地方ごとに傾向が分かれますが、北海道は極端です。道内の町129のうち、実に128町が「ちょう」。「まち」と読む町は、たった1つしかありません。日本最北の地で何が起きているのか、実データで見ていきます。
まずは北海道の全体像です。下の四角ひとつひとつが、道内の「町」1つを表しています。青が「ちょう」、オレンジが「まち」です。
一目瞭然で、ほぼ全部が青(ちょう)。割合にすると99%が「ちょう」です。これは全国のどの地方よりも極端な偏りで、北海道は「ちょうの国」と言ってよい状況です。
128の「ちょう」の海の中で、ただ一つ「まち」と読むのが、道南・渡島地方の森町(もりまち)です。北海道で「〇〇まち」と読む自治体は、現在この森町だけ。クイズにすれば最高の難問で、道内在住の人でも「もりちょう」と読み間違えることがあります。この1町だけが例外である理由ははっきりしていませんが、それゆえに北海道の地名の中でひときわ目を引く存在になっています。
背景として有力なのが、北海道の歴史の新しさです。北海道の多くの市町村は、明治以降の開拓によって新しく生まれました。本州で長い年月をかけて根づいた「まち」「ちょう」の慣習とは切り離された形で、行政的に地名が整えられていったと考えられます。その過程で「ちょう」という読みが標準的に採用されていった、という見方です。
実際、全国を見渡すと「ちょう」は西日本に多い読み方ですが、北海道はそのどれとも違う経緯で、独自に「ちょう」へ大きく振れた地域だといえます。
面白いのは、北海道のすぐ南にある東北地方が、まったく逆の傾向を持っていることです。北海道が99%「ちょう」なのに対し、東北は78%が「まち」。津軽海峡をはさんで、読み方の世界がほぼ反転しているのです。
「北にいくほど、まち」という単純な法則では、この北海道と東北の落差は説明できません。地名の読みは、単なる方角ではなく、その土地の歴史が刻まれた結果なのだと分かります。
ニセコ町、倶知安町、当別町……北海道の町を思い浮かべると、確かにほとんどが「ちょう」です。あなたの気になる町が、128の「ちょう」なのか、唯一の「まち」なのか、下の検索で確かめてみてください。
🔍 北海道の町名を検索して読み方を調べる >※本記事の集計は、総務省「全国地方公共団体コード」に基づく全国の「町」743件をもとに、当サイトが独自に分類・作成したものです。市町村合併等により数値は変わる場合があります。